『やよいちゃんと雪歩さんとバラエティーのお仕事』
今日の仕事はなんとテレビです!
バラエティ番組の収録です!
やったね♪
と、言ってもやよいちゃんにオファーが来たわけではなく、事務所の先輩にあたる萩原雪歩さんのお仕事なんですが・・・。
雪歩さんの担当プロデューサーさんが多忙なため、オレが局まで付き添いする事になったわけです。
やよいちゃんがついて来たのは、はっきり言っておまけです。
どんなに可愛くてもFランクって感じですよ。
バラエティとは言え、テレビの仕事が入ってくる雪歩さんはさすがのDランクですよ。
ランクって何だって?
それはまあ、アレと言うかナニと言うか、プロデューサー用語ですよ。(←そんなもんはない)
ともあれ、やはりアイドルとして成功するには歌番組だけでなく、バラエティの仕事もこなさなくてはいけません。
収録を見学する事は、やよいちゃんにとってきっと良い経験になるに違いありません!
ちゃっかり売り込もうなんて決して考えてません。
しかし、肝心の雪歩さんはガクガクブルブルと震えています。
プロデューサー用語で言うところのガクブルです。(←どう考えても2ちゃん用語)
【雪歩】
「はぁ・・・今日はどんな酷い事をやらされるのかなぁ。嫌だなぁ」
超ブルーな表情で控室の隅にいます。
体育座りです。
どうせ体育座りならブルマー姿の方が・・・ケフンケフン
聞くと、男の人が苦手な雪歩さんにとって、容赦ない芸人さん達と絡むバラエティの仕事が苦痛なようです。
【P】
「雪歩さん、大丈夫ですか?」
【雪歩】
「・・・この前なんて、土佐犬だらけの水泳大会って感じの企画だったんですよ。もう、穴掘って埋まりたかったですぅ」
なんですか、その恐ろしい企画は。
手足のポロリもあるよ♪ って感じですか!?
【P】
「やよいちゃん、本当?」
【やよい】
「確かチワワさんと子供用プールで戯れるお仕事だったそうですよ」
全然違うじゃないですか雪歩さん!
とは言え、雪歩さんのテンションの低さにスタッフの人も困り顔・・・。
しかし、これはある意味チャンスかも。
現場の偉そうな人を捕まえて相談してみる。
ギャラは雪歩さん一人分でも良いのなら、とあっさりやよいちゃんの出演許可が降りましたよ。
【P】
「やよいちゃん、雪歩さんを助けてやってくれ・・・だが、ギャラは帰りに奢るラーメンで許せ」
【やよい】
「うっうー、任せて下さい!・・・餃子6人前」
【P】
「は?」
【やよい】
「家族の分もお土産で付けて下さい」
にこやかな顔だが、お金に関してはやよいは引かないのですよ、ええ。
こういう度胸の良さはバラエティ向きかもしれないので、とりあえず条件は飲みましたとも。
始まった収録はこれでもかってくらい低俗な内容で、手を使わずにおにぎりを作れだの、チョコバナナのチョコの部分だけ舐め取れだのアイドルに無理難題を押し付けるものばかり。
番組の名を借りたセクハラ大会です!
誰だよ考えた奴!
お友達になりたいです。
6話に続く
2011/02/15 初版
2011/07/12 第二版
2011/08/11 『にじファン』に転載
→『にじファン』サービス終了(2012/07)
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