僕の彼女は戦国時代マニアなんです。
彼女は僕より少し年上の20代後半で塚原小麦(つかはら・こむぎ)ちゃんといいます。
大学で日本史学科の講師をしているんです。
なんでも実家が有名な剣道道場だとかで、お祖父さんの影響が強く、時代劇ばかりを見て育ったのだとか。
大学のサークルではコ○エーのゲーム片手に「幸村様萌え〜♪」とか「兼続×景勝様キタコレ!」などと言っていたので、ただの腐女子だと思ってたんですが、本格的な歴女でした。
ちなみに、僕達の所属していたサークルはゲーム研究会です。
話を戻します。
そんなこんなでデートはいつでも城巡り、史跡巡りなのですよ。
ドライブ自体に楽しみを見出しているので、僕にも楽しいデートではあるのです。
「ねー、むぎむぎ。今日はどんなお城なの?」
「今日はねぇ、戦国時代初期に関東管領職にあった上杉憲政公の配下にいた武将でねぇ…」
何を言っているのかさっぱりわかりませぬ。
「後に真田昌幸公が小田原討伐の折りに、上杉景勝公との軍義の場としてね…」
まったく興味ねーYO!
卒業してからというもの、腐り加減がハンパじゃなくなってきたのですが、歴女レベルの上がり方も並大抵ではございません。
オイラの頭の中は、帰りに寄るラブホテ…
いえ、西洋風のお城でのあれやこれやで一杯です。
「ほ〜れほれ、ワシの備前長船がこんなにたぎっておるぞよ」
「ああん♪ こ、こんなに刃が反り返って…」
「ひっひっひっ、御神酒をこんなに溢れさせおって、麦姫の舞を堪能させてもらおうかのう」
「はあ…あ、ああぁ…す、すごいいいいいいいぃぃぃっ」
おっと、つい妄想に浸ってしまいました。
自慢じゃありませんが、むぎむぎはお城巡りに体力を100%使うので、未だに僕は清い身体でございます。
そんなこんなで、楽しいお城見物をした僕達でしたが、どうしても古戦場が見たいと山の中に入っていったのが、あの恐怖の出来事の始まりだったのです。
それはまた次回という事で。
(2)に続く
2012/06/26 初版
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