たっぷりお風呂に浸かりました。
館の大きさの割には意外にお風呂は小さいです。
パッと見、ウチの4倍くらいでしょうか。
くつろぎました。
足を伸ばして入れるお風呂なんて滅多に入れないのです。
ウチのお風呂はドラム缶の倍くらいしかないのです。
お風呂から上がって、出てきた後もむぎむぎと山田さんは古文書を広げてミーティングを継続中です。
山田さんもむぎむぎも目をキラキラさせています。
そんなに面白いのでしょうか?
「これは、洋館の地下室で発見された古文書なのですが…」
「不思議なものですね」
「よく意味がわからないのです…」
話は埋蔵金の話からは変わっているようです。
ひとつの手がかりが次の手がかりの鍵にでもなるんでしょうか。
オマイラ、現代のインディ・ジョーンズかYO!
二人が相変わらずなので、僕はコーラを飲みながらテレビでも見ていることにします。
面白くもない番組ばかりなのでニュースを見ていると、気になるニュースが伝えられました。
近くの町で銀行強盗があり、銃を持った犯人が逃走中だというのです。
しかも二人組の犯人は赤城山方面に逃げたんだとか。
赤城山を通り越してくれれば良いですが、赤城山中となったら、いま僕達がいる場所ドンピシャじゃないですか…。
ヤバい予感がします。
昔からこういう予感は当たるのです。
めぐぽの時もこの予感が働いてくれれば…まあいいでしょう。
「ちょっとすいません!」
「なに、のぶちん。またお腹すいたの?」
「飲み物でしたら、冷蔵庫にあるものをご自由にどうぞ」
「ちがうんです。今、ニュースで…」
むぎむぎも山田さんも盛り上がっていた話を中断され、少し不機嫌な感じでしたが、内容が内容なだけに話は聞いてくれました。
「のぶちん心配しすぎじゃない?」
「まあ念のため警察に連絡を入れておきますか」
「その方がいいですよ」
警察署に連絡を入れると、付近のパトロールの強化を約束してくれるそうです。
万が一に備えて、今晩は近くの集落から駐在さんが来てくれる事になりました。
ちなみに電話をしたのは僕です。
二人が相変わらずミーティングに夢中だったからです。
なにやら資料も増えております。
これだからインテリ共はよぅ…。
(6)に続く
2013/05/07 初版
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