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PAでバナナ・オレを (13)
大和武尊

「でね、続けていい?」
「あ、どうぞどうぞ」
「先生が“授業でしか使えない”なんて言っても繋ぎ放題になってる事はすぐに学生達に知れ渡ったらしいのよ」

 そりゃそうだろう。
 授業中にこっそりスマホを覗き見るなんて簡単だろうし、SNSで友達とおしゃべりしっぱなしなんてのもいるはずだ。
 休み時間になってホットスポットを検索したら、授業で使ってるネットワークが検出されたなんて話は導入した日にほとんどの生徒が知るんじゃないだろうか。

「隠れてゲームをやる生徒にかなり厳しい罰則を用意しても無駄だったみたい」
「スマホやタブレットを持ってくるなと言えば、家族の緊急連絡が出来なかったり、犯罪に巻き込まれた際に一切の足取りを追えなかったらどうするんだ。高校生にもなって防犯ブザーを持たせろとでも言うのかって保護者に言われればそれまででしょうし、持ってきている物に対して出すな使うなと言ったところで学生なんて聞く耳持たないでしょうしね。学校経営もたいへんそうです」
「他人事みたいに言うのね」
「管理しやすい人間が“良い生徒”なんて異様な環境には悪い印象しか持てなかったので…」
「集団生活が合わなかったの?」
「生徒とはうまくやってましたよ」
「大人に管理されるのはごめんだとか言ってたクチとか?」
「昔は悪かった…なんて、プライドに実力が追いついてない人間の常套句でしょう。中学生が小学生の時を振り返るならともかく」
「ずいぶん辛口ね」
「間抜けな教師の放任で一生分、傷ついた人を知っていますので…。続きをどうぞ」
「…」


(14)に続く

2018/04/03 初版

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